FREETEL(フリーテル)のスマートコミコミ+の罠が大きすぎて絶対にオススメしない理由




FREETEL(フリーテル)のスマートコミコミ+は絶対にオススメしません

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FREETELのスマートコミコミ+のCMに出演されているのは,佐々木希さんと高田純次さんです。お二人には罪はないと思いますし,とりわけ佐々木希さんは,おめでたいお話のあったところで話題沸騰で申し訳ないのですが,FREETELのスマートコミコミ+はヒドイです。

本ブログはスマホやマイルの情報ブログですので,基本的に「お得な情報」をお届けするのですが,今回のやや炎上気味にもなっているFREETELのスマートコミコミ+は,本当にヒドイので読者のみなさまに近づいて欲しくないという警鐘の意を込めて書かせていただきます。佐々木希さんは時期が悪いCM出演となりましたねぇ…。

FREETELのスマートコミコミ+の罠(オススメしない理由)は大きくは二つ(細かくは無数)です。

  • 市場価格はおろか公式価格の数倍で36回払い割賦を組ませる罠
  • 「とりかえ~る」は36ヶ月未満の場合は端末取り上げ&次の36回払い割賦に自動移行

本記事では,この二つに集中して解説していきたいと思います。

 

市場価格はおろか公式価格の数倍

そもそもSIMフリースマートフォンというのは,通信会社とセットで購入する必要がないので,Amazonなりヤフオク,メルカリなりで市場価格が形成されます。公式サイトの価格より安いからこそ,Amazonやヤフオク,メルカリで端末が売れるわけで,そもそも公式価格は市場価格よりやや高めです。

とはいえ,公式サイトで購入した場合は,保証などもありますし安心感があります。高いだけの価値がある場合もあるのです。今回のFREETELのスマートコミコミ+は,こうした心理を逆手にとったものだといえます。

バラバラに買うよりだんぜんおトク?

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こちらがFREETEL公式の解説図です。自社の通常プラン+端末購入との比較です。試算条件は下記の通りです。

【試算条件】Priori 4 本体価格(36回払いとした場合)411円 + 使った分だけ安心プラン(〜100MB) 999円 + 通話料金1,499円(10分かけ放題) = 2,909円/月 ※1)月々のお支払いの比較です。表示の価格はすべて税抜き価格です。また、スマートコミコミ+は36か月の割賦契約となります。ただし、割賦契約開始から12か月経過以降は、残債のお支払いなしに新しい機種に機種変更することが可能です。

この試算は「全部入り」を前提にしていますが,すべてのユーザーに「10分かけ放題」が必要か不明です。スマートコミコミ+は,「考えるのが面倒だ」という層に,フルオプションを勧めていることになります。左の通常プランは基本的にいつでも解約できるわけで,その部分を敢えて言わずに隠しています。ただ,これだけならドコモ,au,ソフトバンクもやっていることです。

スマートコミコミ+の真の問題は「36ヶ月の割賦契約」や「割賦契約開始から12か月経過以降は、残債のお支払いなしに新しい機種に機種変更」のあたりです。

36ヶ月の割賦が市場価格はおろか公式価格の数倍

まず,ここがヒドイ。先ほど,SIMフリースマホの公式価格は市場価格と異なって当然ということを書きましたが,これは普通は「市場価格の方が公式価格よりも安い」ことが前提です。しかし,FREETELのスマートコミコミ+は,その常識を覆し,公式価格の数倍にもなる36ヶ月割賦を組ませます。

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「スマートコミコミ+」で選択できる新製品としてHUAWEI、ASUSなど5機種を新発売! | FREETEL(フリーテル)

上記の5機種が,FREETELが2017年4月13日から導入を決めた他社製SIMフリー端末です。楽天モバイルでもおなじみの端末も多いですし,他の格安SIM各社やAmazonでも取り扱いがあります。

問題はこれらの機種に対する36ヶ月割賦の価格設定です。たとえば,ZenFone3のスマートコミコミ+の価格設定は下記の通りです。

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そして,ZenfFone3の契約を「定額プラン1GB」で進めていくと,下記のよう画面が出ます。

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この画面の下部,赤く囲んだ部分に,明細の下に薄く小さな文字で36ヶ月割賦総額の料金が書かれています。ここにしか書かれていません。仕方ないので,テキストを抜き出すと下記のように書かれています。

・ZenFone3セットご購入時のお支払いは、0円です。
月々のお支払いは、2,000円(税込 2,160円)となり、総額72,000円(税込 77,760円)となります。(お支払い回数:36回/お支払い期間:37ヶ月/金利・手数料:0%・0円)

つまり,スマートコミコミ+の定額プラン1GBの通信部分は480円/月というわけです。これを踏まえて,2017年4月13日発売の5機種の端末価格は下記の通りとなります(税別)。

機種 端末代(36ヶ月割賦) 36ヶ月分の総額 公式価格 割賦/公式
ZenFone 3 2,000円/月 72,000円 39,800円 1.81
arrows M03 1,900円/月 68,400円 32,800円 2.09
ZenFone 3 Laser 1,700円/月 61,200円 27,800円 2.20
Huawei P9 lite 1,600円/月 57,600円 25,800円 2.23
VAIO Phone A 1,600円/月 57,600円 24,800円 2.32

上記の「公式価格」とは,FREETELの公式サイトで端末のみを購入した場合です。「36ヶ月分の総額」と比較してください。一番マシなZenFone3で1.81倍,VAIO Phone Aでは2.32倍にもなります。定価って何だったでしょうか。

この価格設定のスゴイところは,割賦総額を約2倍に設定することで,18ヶ月で離脱する場合に公式価格と同等の割賦残額を請求するシステムになっているというところです。すさまじい!

しかも,上記で表にした「36ヶ月分の総額」はFREETEL公式サイトのわかりやすい部分に明記されていません。あくまでスマートコミコミ+の総額の中にわからないように一緒くたにされており,契約手続きを進めると小さな小さな文字で上記のように記載されています。

繰り返しますが,SIMフリースマホの公式価格は,あくまでメーカーの言い値であり,実際にはもっと安い市場価格で出回っています。にもかかわらず,FREETELのスマートコミコミ+は,高めの公式価格の1.81倍~2.32倍の36ヶ月割賦の支払いを強制するシステムなのです。

しかも,あとで詳しく紹介しますが,この公式価格の1.81倍~2.32倍の法外な36ヶ月割賦の支払いを払いきった場合だけしか端末は手元に残りません。36ヶ月未満の機種変更の場合は,旧端末は取り上げです。まあ,36ヶ月も使った中古スマホが手元に残ってもほとんど価値がないとも言えますが…。

他社との比較もなかなかヒドイ(随時修正中?!)

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これに関しては,FREETELのスマートコミコミ+の機種変サービス「とりかえ~る」がとにかくヒドイので,そこに注目していきたいのですが,ちょっと面白いのが,Y社(ワイモバイル)スマホプランSの「通話」部分です。

下記のブログの記事で,Y社の通話し放題の制限撤廃について指摘があります。

Y!mobileの通話は「10分間×300回」としていますが、2017年3月22日現在、既にY!mobileは300回の上限を撤廃しています(2017年2月1日より)。

FREETELのスマートコミコミ+だけは絶対に申し込んだら駄目!かなりの割高です | モバイルガジェット東京03 格安SIM・WiMAX比較紹介所

その結果か,いまのFREETELの公式サイトでは,Y社の「10分間×300回」が「10分間かけ放題」に修正されています。さすが大手ブログの影響力はすごい!随時更新中?! 

 

「とりかえ~る」は端末取り上げ&次の36回払い割賦に自動移行

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FREETELの機種変サービス「とりかえ~る」ですが,これがヒドイ。ケータイ業界において,「機種変更」とは長らく「買い増し」と呼ばれていました。すなわち,新しい端末を入手しても古い端末は手元に残る=買い増しと言われるわけです。

しかし,FREETELの「とりかえ~る」は,この常識を覆しました。「とりかえ~る」では,36ヶ月完走した場合以外,端末をFREETELに返却しなければなりません。残るのは,新たな端末の36ヶ月割賦のみです。これは上記図の「残金ナシで機種変最新機種をGet!!」の真相です。

アナタの端末はキレイ?壊れてる?:免責金額

しかも,取り上げる端末のクオリティにより,免責が生じます。

  • 1年未満:問答無用に免責発生
  • 1年以上1年6ヶ月未満:良品=0円/破損品=免責発生
  • 1年6ヶ月以上:良品=0円/破損品=0円

こういうわけです。そして,この免責金額も公式サイトには説明がありません。ただ,プレスリリースの画像の下部には,小さ~く免責金額が「新品価格の20%で最新機種へ交換」という記載があります。

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https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000186.000015112.html

この画像,公式サイトのものと同じなのに,注の部分だけ違っているんですよね。公式サイトの画像の注には,免責金額20%の記述がないんです。どうなってるんだか…。

機種 公式価格(税込み) 免責金額
ZenFone 3 ¥42,984 ¥8,597
arrows M03 ¥35,424 ¥7,085
ZenFone 3 Laser ¥30,024 ¥6,005
Huawei P9 lite ¥27,864 ¥5,573
VAIO Phone A ¥26,784 ¥5,357

ともあれ,免責金額20%を公式価格(税込み)を基準に計算すると上記の通りとなります。この価格が,良品でも1年未満の場合はかかりますし,破損の場合は1年半未満の場合にかかります。

「とりかえ~る」を適用の場合は旧端末取り上げ

しかも,旧端末を失って,新たに得られるのはFREETELのスマホ&新たな36ヶ月割賦です。逃げ道はありません。先にも述べましたが,スマートコミコミ+は,割賦総額を約2倍に設定することで,18ヶ月で離脱する場合に公式価格と同等の割賦残額を請求するシステムになっています。

もともと,FREETELのスマートコミコミ+では,36ヶ月割賦払いの総額が,公式価格の1.81倍~2.32倍でした。仮に2倍と考えましょう。36ヶ月のうち,1/3の12ヶ月で公式価格の2/3の支払い,1/3の18ヶ月で公式と同価格の支払いをすることになります。下記の表をご参照ください(税別)。

機種 36ヶ月分の総額 12ヶ月支払分 18ヶ月支払分 公式価格
ZenFone 3 72,000円 24,000円 36,000円 39,800円
arrows M03 68,400円 22,800円 34,200円 32,800円
ZenFone 3 Laser 61,200円 20,400円 30,600円 27,800円
Huawei P9 lite 57,600円 19,200円 28,800円 25,800円
VAIO Phone A 57,600円 19,200円 28,800円 24,800円

「とりかえ~る」を適用して,端末を取り上げられた場合,12ヶ月/18ヶ月の支払い分は完全に払い損で手元に何も残りません

「とりかえ~る」を拒否して解約の場合は法外な残債の支払い強制

「とりかえ~る」を拒否して解約の場合は,手元に端末が残らないだけでなく,旧端末が良品で12ヶ月で逃げ出す場合,さらに公式価格の4/3倍の請求,破損品で18ヶ月の場合でも公式と同価格の請求が来ます。残債価格は下記の表をご覧ください(税別)。

機種 36ヶ月分の総額 12ヶ月支払後の残債 18ヶ月支払後の残債 公式価格
ZenFone 3 72,000円 48,000円 36,000円 39,800円
arrows M03 68,400円 45,600円 34,200円 32,800円
ZenFone 3 Laser 61,200円 40,800円 30,600円 27,800円
Huawei P9 lite 57,600円 38,400円 28,800円 25,800円
VAIO Phone A 57,600円 38,400円 28,800円 24,800円

端末を取り上げられてそれまでの割賦払い分が払い損な上に,公式価格とほぼ変わらない請求が来るとか,罠が大きすぎます。もともとの36ヶ月割賦払いの総額の設定が,公式価格の約2倍ということで,残る残債の価格が市場価格に比べて法外になるのです。

さらに,ちょっと基準日より手前だと,前の方で挙げた免責金額付きで請求されることとなります。罠が二重三重です。

2017年4月19日に「スマートコミコミ+」「とりかえ~る」を仕様変更

さすがにフリーテルも「とりかえ~る」の炎上を認識したのか,2017年4月19日仕様変更をしました。

【対象プラン】スマートコミコミ+

【対象者】スマートコミコミ+割賦契約期間中に解約された方
(未払に伴う契約解除の場合を除く)

【変更点】
<変更前>
①割賦契約期間中の解約は割賦残債全額を一括でお支払い

<変更後>
①割賦契約期間中の解約は割賦残債全額を一括でお支払い
②当社が端末及び付属品を割賦残債50%分の金額にて買取
(お客様任意/故障端末を除く)

つまり,「割賦残債全額」を免除する代わりに,「割賦残債50%分で端末を買い取りしますよ」という内容です。これは改善なのでしょうか。

モデルケールを示します。ZenFone3を36ヶ月割賦のちょうど半分,18ヶ月を支払った時点で,18ヶ月の払込金額と残債,それとフリーテルの示す公式価格は下記の通りとなります(いずれも税抜き)。

  • 18ヶ月の払込金額:36,000円
  • 残債:36,000円
  • 公式価格:39,800円

つまり,公式価格39,800円のZenFone3に,既に36,000円を払い込んでいるところ,残債の36,000円の半額である18,000円をさらに負担して,手元のZenFone3は取り上げられるという仕組みです。

そもそも,フリーテルの公式価格である39,800円に対して,36ヶ月の割賦総額が72,000円という倍近い設定であることがこの歪みの原因であるわけで,根本的には何も解決してない,むしろ「フリーテルがなりふり構わず端末取り上げを強化したな」という印象か持てません。

それを裏付けるように,買い取り条件にリセールの見込めない「故障端末を除く」という条件を付しています。

 

まとめ

本記事で伝えたかったことを力を込めて述べると,下記の通りとなります。

端末価格は公式価格の約2倍!旧機種の割賦は免除でも,新機種の36ヶ月割賦は必須!旧機種の端末は取り上げ!

スゴイとしか言いようがありません。すさまじいまでの罠の連続で,大金を払わない限り,FREETELから他社へ逃げられないシステムになっています。半永久的にFREETELに縛り付けるシステムです。圧倒的にオススメしません。このFREETEL炎上問題の先駆者のCreator Clipさんが,下記のコメントをされています。

今FREETELを褒めている所はアフィリエイト目当てじゃないかな。 

FREETELの「スマートコミコミ+」は本当にお得なのか?高額な端末代による実質3年縛りに悩まされるプラン | クリエイタークリップ

本当にそうですよねぇ。これはすさまじくヒドイです。ただ,「FREETEL スマートコミコミ+」で検索されるサイトには,手放しでFREETEL礼賛記事もあれば,警鐘を鳴らしつつも「気をつければ(端末とSIMバラバラで契約するなど)よいかも」のように,アフィリエイトに誘導している記事もあります。

もちろん,本記事では問題と思われるところを中心にご紹介しましたが,これだけ罠が大きいプランを,メリットばかり押し出して押し出す会社の広告を貼るのは難しいです。本記事では,スマートコミコミ+に限らず,FREETELを一切オススメしませんので,FREETELの広告は一切貼りません。お気を付けください。

2017年12月に民事再生手続き開始の申し立て

追記です。2017年12月4日にFREETEL(プラスワン・マーケティング株式会社)は,民事再生手続き開始の申し立てをおこないました。詳しくは上記の記事をどうぞ。











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